不貞行為が判明した場合、その慰謝料額は多いに越したことはありません。
しかし、任意の交渉で不貞相手が希望の金額を支払ってくるとは限りません。
条件が折り合わない場合、やむを得ず裁判を行うということがあります。
裁判所は事案に応じた慰謝料額を認定し判決を下しますが、判決に記載された金額が確実に支払われる措置を講じてはくれません。
判決に記載された金額を回収するのは不貞慰謝料を請求する側であり、回収ができるかどうかは不貞相手の資力に影響を受けます。
不貞相手が多額の財産を有している、または、安定した職に長く就いている等の事情があれば回収可能性に不安はないということになりますが、どこに財産があるかわからない、仕事を転々としている、疾患で休職中である等の場合には回収可能性には大きな不安があります。
後者の場合、納得はいかないが任意で支払われる金額を受け取るか、判決をもらって不透明な回収可能性にかけるか、の選択を迫られることになります。
慰謝料額は多いに越したことはないのですが、状況によっては、どちらが自身の利益を最大化できるであろうという苦渋の選択を迫られることになります。