婚活サイトで出会った男性に未婚であると偽られ、1年以上の交際期間を騙されたので、貞操権侵害を主張して、速やかに、約110万円の慰謝料を回収できた事案。

紛争の内容
相談者は、いわゆる婚活サイトで男性とマッチングしました。
そのサイトは、未婚者しか利用できないという規則であり、実際に、男性のプロフィールにも未婚であることが明確に記載されていたので、相談者は、まさか男性が既婚者であるとは疑いもしませんでした。
マッチングしたのち、男女の交際関係に発展しました。
月一回以上のデートを重ね、一方の親に会うということもあり、交際期間は1年以上になりました。
そんなある日、ふとした経緯から、男性が既婚者であると発覚しました。
すぐに問い質しますが、男性からの連絡が途絶え、どうしたらよいのかと悩んでいた相談者が、ふとインターネット検索で、弊所のHPを見つけ、未婚の男女でも、貞操権侵害を主張し、慰謝料を請求できることがあると知りました。
グリーンリーフ法律事務所の不倫慰謝料チームの弁護士が快く相談に応じ、複数経験もあったので、受任し、交渉事件を開始しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
交渉では、相手の男性の住所を突き止めました。
前情報では、住所には、妻も居住しているということが明らかとなっておりました。
そのため、通知書の送付方法については工夫(工夫の詳細についてはこちらには記載できませんので、貞操権侵害でお悩みの方は直接ご相談ください)をして、連絡を取り始めました。
相手の男性も、悪いことをしたことは理解しており、損害賠償金額の具体的な交渉を進めました。
なお、その時はすでに年末に近付いておりました。
男性ものらりくらりとしておりましたので、来年をお互いに清々と迎えることができるよう、速やかに検討を進めるように伝えることもありました。

本事例の結末
結論としては、110万円ほどの慰謝料を速やかに回収することができました。

本事例に学ぶこと
昨今は、さまざまなインターネットサイトがあり、「婚活」を目的とするもの、中には、「既婚者同士のマッチング」を目的とするものなど様々で、サイトも多数存在します。
そのような中で、不倫(肉体関係)を画策する人が一定数いるのが紛れもない事実です。
お互いが不倫であると認識しながら不貞に及ぶケースもありますが、中には、既婚者であることを秘して、相手を騙して肉体関係を持とうとするものがおります。
交際関係では慰謝料が請求できないのかというと、実はそうではありません。
専ら未婚であると騙され、疑う余地もなく信じ込んでいたケースでは、貞操権侵害を主張して、慰謝料を請求することが可能です。この場合、相手の配偶者から不倫慰謝料請求をされるリスクは0ではありませんが、不倫することについて故意・過失がなければ、不倫慰謝料請求は棄却され、認められません。
なお、どうしても、不倫慰謝料と比較しても、貞操権侵害の事案は、慰謝料が低くなりがちではございます。裁判例でも、50万程度、100万程度、それ以上の事案とさまざまですが、許せない!というお気持ちに反して、必ずしも多額になるとは限らないのです。
しかし、あえて未婚であると騙して肉体関係を結んでいる相手に対しては、忽然とした態度で相対する必要があります。
貞操権侵害でお悩みの男女がおりましたら、弊所までご相談いただければと存じます。

弁護士 時田剛志