紛争の内容
Aさんは、結婚して約20年になる夫Bから「最近夫婦関係が冷え切っているので離婚したい」と言われ、夫の言動からもはや夫婦関係を修復する意向が夫にはないものと感じて夫の要求に応じ、離婚することにしました。ところが、離婚手続後に婚姻期間中に女性Yと不倫していた証拠が見つかり、夫の離婚の提案が、自身の不倫相手との交際が原因であったと考えるに至りました。そこで、協議離婚自体は成立しているものの、その離婚協議の中には、元夫Bの慰謝料支払の定めはなかったため、元夫B・不倫相手Yに対して慰謝料請求したいと考え、弁護士に相談・依頼しました。
交渉・調停・訴訟等の経過
元夫B・不貞相手Yに対し慰謝料請求を内容とする受任通知(内容証明郵便)を送ったところ、元夫Bが代理人を立てた旨の書面が弊所に届き、以後、双方代理人間でやりとりをすることになりました。
本事例の結末
交渉の結果、元夫Bは不貞の事実等を全て認め、元夫B及びYに、慰謝料200万円の支払い義務があることを認める等の内容で示談することになり、その合意のとおり元夫Bは期限内に慰謝料全額を一括で支払ってきました。
本事例に学ぶこと
離婚成立後に、元配偶者が婚姻期間中に不貞行為に及んでいたことを発覚した場合でも、慰謝料請求をすることが可能な場合があります。
もっとも、慰謝料請求が認められるためには、元配偶者による不貞行為の存在がなければ、夫婦間の関係が悪化することはなく、その結果として婚姻関係が破綻することも無かったといった因果関係等が必要ですので、ご自身の慰謝料請求が認められるかについてお悩みの方は、一度弁護士にご相談していただければと思います。
弁護士 相川一ゑ
弁護士 安田伸一朗